POAギャラリー解体前の最後の展示会「PAST OF PORT」を企画しました

本年1月7日に江別市大麻銀座商店街で発生した火災により被災した9棟は、すべて解体することとなりました。
来週からいよいよ解体作業が始まるというなか、一部通行規制を解除する期間「THANK YOU STREET」が同商店街主催で2月20日・21日の二日間開催されます。

これに合わせて、POAギャラリー解体前の最後の展示会「PAST OF PORT」を企画しました。

ギャラリーに保管していて焼失をまぬがれた作品を、通りからでもご鑑賞いただけるように展示します。
サンキューストリートに向けて会場を掃除しながら、最後は焼け跡ではなくやっぱり「展示会場」として、その姿をご覧いただきたいと思いました。

そうして思案をし、これらの作品と建物を合わせて一つの作品として展示することとしました。

「PAST=過去」は、過ぎ去りし時間のことです。

被災後からはとかく前を向くこと、いちはやい復興を促されてきましたが、POAギャラリーとしてだけではなく、この建物が受け止めてきた60年の時に思いをはせ、じっくりと二日間を過ごすことも大切ではないかと考え、あえて未来に目を向けるのを少しだけお休みして、この建物たちやこの通りが刻んできた「過去」をともに味わいたいと思いました。

展示作品の主として据えた松浦蜜柑さんの作品「羽化」は、ほぼ完ぺきな状態で焼失から生き残りました。そこになにか象徴的な意味を感じている作品です。

これから羽ばたいていこうとする直前の”羽化”からは「過去」を連想しづらいかもしれませんが、「羽化」は制作者自身もSNSで触れていたように「苦しく踠いた事も、跡になって身体に残り続ける」なかで命を絶たずに生きながら「第2の姿に生まれ変わる」ことであり、そこには確実に「過去」が佇んでいるのです。

過去を顧みることができなければ、羽化もないと思っています。

PAST OF PORT。

これまでこの「みなと」で過ごしてきた膨大な“時”と“人”をただ想うことが、未来への浮力となると信じて、皆さんをお迎えいたします。

展示作品

  • サトウカノン
    「look back」(2021、F5号、麻紙/岩絵具 水干絵具 雲母)
  • 大沼聖奈
    「朱」(2020、F4、雲肌麻紙/銀箔、墨、水干絵具、岩絵具)
  • しおじなじ
    「ひかりとわたしたち」(2025,F15,キャンバス/アクリル)
  • 松浦蜜柑
    「羽化」(2924、364×257mm、イラストレーションボード/ミリペン)
    「鳳蝶」(2025、210×148mm、ケント紙/ミリペン)
  • マシュマロ美
    2024年7月に出展しその後切り分けられ販売された原画より